派遣は終わりか?―人手不足時代の現実と請負という選択

「派遣はもう厳しいのではないか」。
人手不足が深刻化する中、最近このような声を耳にする機会が増えています。実際、派遣会社や有料職業紹介会社の廃業が目立つようになってきました。
私の顧問先である派遣会社でも、同じ派遣先と取引していた別の派遣会社が廃業し、派遣先の仲介によりスタッフの譲渡を無償で受けたケースがありました。その際、顧問先の社長が口にした言葉が印象的でした。
「明日は我が身です」
派遣業界は、他業種と同様に規模がものを言う世界です。スーパーに例えるなら、あらゆるニーズに応えられる「イオン」のような存在になるか、ニッチな要望に応える家族経営の街角の八百屋になるか。その中間に位置する小~中堅の派遣会社は、最も厳しい立場に置かれています。
別の顧問先の派遣会社では、疲弊した心にM&Aの話に心が揺れているという話も聞きます。
さらに状況を難しくしているのが、人手不足の助け舟であるはずの「外国人労働者」の活用です。派遣で使えるケースは多くありません。
例えば、今後の外国人労働者の柱とされる「特定技能」はメーカーなどの直接雇用が前提です。実態としては、これも人数が多い「技能実習」を終了した人材の移行がほぼ全てであり、多くの場合、これまで働いていた会社でそのまま継続雇用されます。つまり、労働市場に出てくることはほとんどありません。
また、これも多い「技・人・国」(いわゆる通訳・エンジニアビザ)の外国人材は、その名称どおり高度人材向けであり、単純作業は原則として認められていません。実際には単純作業に従事している例も見受けられますが、これは違法です。 あまりにも数が多く、行政の実地調査では追い付かず放置状態ですが、時々摘発されたとの話も聞きます。
結果として派遣で使いやすいのは「日系人」に限られます。日系人は在留資格が「居住」であるため、就労場所や職種に制限がなく、日本人同様に使えます。ただし、製造業が盛んな東海圏や北関東圏では、日系人を専門に扱う派遣会社が既に存在しており、市場のパイは限られています。しかも、賃金水準は日本人スタッフより高いのが実情です。
このように、派遣業界を取り巻く環境は厳しさを増す一方です。
そこで私が提案したいのが、「請負」へのシフトです。
請負であれば、自社の従業員を使って自ら業務を行うため、技能実習生、特定技能、日系人など、あらゆる外国人材の活用が可能になります。自社で人材を選別できるため、年齢や性別にとらわれる必要もありません。求められるのは結果のみです。
派遣が行き詰まりを見せる今だからこそ、請負という選択肢を現実的に検討する価値があるのではないでしょうか。

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